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デザインの要旨

今回選定頂いたデザインは,物質の最も安定した形状である球形内に,圧力の歪みをストライプで視覚化しHigh Pressureの「H」と重ねて表現したものです。圧力を扱う物質は,気体・液体が主である印象が強いため,外形をぼかし輪郭線がありません。「輪郭をぼかす」処理は,通常のロゴマークのデザインでは,再現性,視認性の観点からタブーとされますが,流体を表現するため敢えて試みました。従って,背景が暗色の場合の表示では,一回り大きい円形で切り抜かれたデータを使って頂き,白抜き表現のネガポジ反転のバージョンはありません。色は,学会という知的探求のイメージ,「超高圧力」ではエネルギーが熱に変わる場合,色温度が高いのではという想像からブルー系と白色を用いています。

アイデア段階で,科学的「見える化」手法ともいえる応力分布解析の光弾性画像などを参考にしています。他に,注意サインの図記号では,「高電圧」や「爆発物」はあるものの,「高圧力」はないようです。余談になりますが,現場での要望があればですが,今回のデザインを下敷きにした「注意」サインが学会として提案できるのではと思います。

(2010.10.15 高橋正広)

高橋正広(たかはし まさひろ)氏 略歴:

1972年金沢市立美術工芸大学卒。(株)ソニー及びSony Corp. of Americaにてプロダクトデザイン及びCI計画を担当。オーストラリア・デザインカウンシルにて日本市場向け商品開発コンサルタントを経て,国内デザイン事務所およびブランド・コンサルティングファームにおいて,数々のブランディング,CI,商品デザイン開発を担当する。現在,有限会社高橋デザイン事務所 代表,日本インダスリアリアルデザイナーズ協会(JIDA) 会員,日本デザイン学会(JSSD) 会員。

著書: From Idea to Product - The Integrated Design Process -(香港生産力促進局刊),インダストリアル・デザイン-契約と報酬 ガイドライン(JIDA刊) 共同編集・執筆

日本高圧力学会事務局
kouatsu_office(at)highpressure.jp