第40回高圧討論会の報告とお礼


 第40回高圧討論会(学会創立10周年記念)は、平成11年11月10日(水)〜12日(金)にももちパレス(福岡勤労青少年文化センター)/早良市民センターにて開催されました。九州地区での開催は、1973(昭和48)年(福岡)、1983(昭和58)年(福岡)、1992(平成4)年(熊本)に次いで4回目となりました。第40回ですので、平均して10年に一度開催といったペースのようです。参加記録は、参加登録344名、講演数281件で、従来より多くの発表件数があったことは、高圧討論会が順調に発展していることを表わしているものと喜んでおります。
 一般講演とは別に、テーマをしぼって特別セッションを設けました。「超臨界流体」、「レーザー」、「複合極限環境下の強相関物性」および「高圧下物性制御」の4件のテーマを選びました。その他「中国の高圧研究−現状と将来」と題して、Zou教授(吉林大学)より中国における高圧に関する最近の研究の動向をご紹介いただきました。それぞれの特別セッションでは、活発な討論がなされ、有意義でした。(写真参照)
 討論会1日目の夕刻には、昨年よりスタートした高圧若手の会が開催されました。ポスターを前にビール、ワインを片手に熱心なディスカッションが展開されておりました。21世紀の高圧研究を切り拓く若手研究者が育つのを期待しております。
 学会創立10周年を記念して、2件の特別講演をお願いしました。「高圧力学会10年の歩 み」と題して庄野安彦先生(東北大学名誉教授)、「21世紀の科学と技術」と題して伊達宗 行先生(大阪大学名誉教授)より大変興味深いご講演をいただきました。学会発展のこれまで10年間をふりかえり、また次のステップとして何をめざすかについて有益な示唆をいただいたと思います。
 総会では前会長田村剛三郎氏によるあいさつ、そして新会長の遠藤忠氏の所信表明がありました。学会功労賞高橋満男氏(東北大),奨励賞 井上徹氏(愛媛大学),館山佳尚氏(金属材料技術研究所)の表彰式も併せて行われました。さらに、徳田幸子さんに感謝状が贈呈されました。
 会場を福岡ガーデンパレスに移し、恒例の懇親会を開催いたしました。懇親会出席者は148名で多数の参加者が集まり、盛況になりました。席上箕村名誉会員より、10周年記念の祝詞をいただきました。(写真参照)これを機に学会が飛躍することを念願いたしております。地元の樽酒「楢の露」、各種料理を楽しんでいただけたのではないかと思っております。当仁太鼓の披露もあり、盛り上がりを見せました。中国のZou教授より,次回のAIRAPTの紹介があり日本からの多数の参加を呼びかけられました。最後に毛利信男教授(東大)より、次回第41回高圧討論会(平成12年11月6日〜8日)のアナウンスがあり、おひらきとなりました。
 討論会の中日は平成11年11月11日でした。"いいことづくめ"(実際はそうではありませんが)の第40回高圧討論会と記憶していただけると幸いです。なんとか天候にも恵まれたと思っております。
 最後になりましたが、今回の討論会開催にあたり、積極的なご協力をいただきました準備委員会のスタッフの皆様、講演会の各座長、学会事務局、ももちパレス(福岡勤労青少年文化センター)/早良市民センター、共催・協賛学協会、広告をいただいた各企業、後援いただいた福岡県・福岡市、(財)福岡県産業・科学技術振興財団ならびに(財)福岡観光コンベンションビューロー、さらに多数の関係各位に厚くお礼を申し上げます。

第40回高圧討論会準備・実行委員長
荒井康彦(九州大学大学院工学研究科)