第42回高圧討論会の報告とお礼


 第42回高圧討論会は,平成13年11月20日(火)〜22日(木)に神戸ファッション マートで開催されました。神戸市での開催は,第8回(1966年),第20回(1979年),第28回(1987年)に次いで4回目であります。交通の便と晴天に恵まれ,380名を越す方々に討論会に参加していただきました。研究発表件数は280件で,従来の最も多い発表件数に並ぶ盛況でした。
 一般講演とは別に,2件のシンポジウム「ガスハイドレート−基礎から応用まで−」と「圧力と半導体」を企画いたしました。21世紀の課題である地球温暖化問題や情報・通信技術の開発等との関連でシンポジウムは特に活況を呈し,活発な討論が行われました。

ポスターセッション風景−円形の会場がユニーク−
 第1日目の夕刻には,ポスターセッション会場を利用して高圧若手の会が開催されました。おつまみを片手に熱心な討論が展開されました。若手の会は今後学部学生や大学院生等次代を担う方々にも拡大することが望まれます。
 特別講演会では,本年度から新設された「学会賞」の第1回受賞者である下村理先生(日本原子力研究所関西研究所)に「放射光と高圧研究」と題して学会賞受賞講演をお願いいたしました。SPring-8建設時からの苦労話などを交えて,固体物性・物質創製研究における放射光のプロ−ブおよび光源としての役割や足跡を分かりやすく解説していただき,感銘を受けました。また,京都大学副学長,大学院理学研究科の尾池和夫先生には「西日本の地震活動期」と題して,プレートの運動や近畿・中国地方を中心とする最近の地震活動,活断層の意義等についてお話をいただきました。

 総会では前会長の中原勝氏による挨拶と新会長の清水宏晏氏による所信表明がありました。引き続き,前述の学会賞 下村理氏(前出),功労賞 住友電気工業 超高圧研究グループ(矢津修示氏,佐藤周一氏,角谷均氏),奨励賞 船守展正氏(東京大学大学院理学系研究科),松林伸幸氏(京都大学化学研究所)の表彰式が行われました。
懇親会場−学会賞受賞者− 総会後会場をホテルプラザ神戸に移し,恒例の懇親会を開催いたしました。事前申し込みが比較的少なかったので,やきもきいたしましたが,直前に多数の申し込みがあり,参加者は招待を含めると150名を越え,盛会になりました。席上,森脇俊道神戸大学工学部長,島一雄神戸大学工学振興会副理事長より歓迎の挨拶があり,地元の樽酒「白鶴」で鏡開きの後,守時正人元会長(元叶_戸製鋼所)の乾杯の音頭により宴会が行われました。料理の減り具合が早く実行委員をあわてさせました。パーティーの後半には学会各賞受賞者にスピーチをお願いいたしました。会の締めくくりには,第43回高圧討論会の実行委員長である愛媛大学理学部 入舩徹男先生から挨拶があり,次回は平成14年11月27日(水)〜29日(金)に松山市・県民文化会館で開催されることが披露されておひらきとなりました。
 今回の討論会では, 1. 一部の学会と会期がバッティングしたこと, 2. 館内での飲食が禁止されており,恒例のコーヒー・緑茶のサービスが出来なかったこと, 3. 一部の会場でスクリーンがやや小さかったこと, 4. 経費の都合で特別講演会場とポスターセッション会場が共通であったため,ポスターセッション(108件)に十分な時間がとれなかったこと等が主な反省点でありましたが,お陰様で3日間とも晴天に恵まれ暖かく,学会を滞りなく実施できましたことを実行委員一同心から感謝いたしております。
 最後になりましたが,今回の学会開催にあたり,ご協力いただきました実行委員の皆様,講演会の各座長,学会事務局,神戸ファッション マート,共催・協賛学協会,広告・展示をいただいた各企業 および ご支援いただいた兵庫県,神戸市,神戸大学工学振興会 その他多数の関係者各位に心よりお礼を申し上げます。


第42回高圧討論会実行委員長 田中 嘉之
(神戸大学工学部応用化学科)