講演募集分野
今回募集する講演は,次の(1)〜(11)の分野についてです。
最近,ガスハイドレートの基礎および応用研究では,多くの注目すべき新たな研究展開が報告されている。
本シンポジウムでは,ハイドレートの物性に関する基礎研究(ゲスト分子の籠占有性,構造相転移現象,相平衡関係など)に重点を置いて研究の進捗を統括し,幅広い視点に立ってハイドレート研究の新展開気体貯蔵・輸送,熱媒体探索,ナノ空間反応場設計など)に向け議論を深めることを目的とする。
X線自由電子レーザーSACLAの供用運転が昨年度から開始され,これに続く放射光源の建設計画も現在進行中である。次世代放射光源には光源の低エミッタンス化によって得られる高い空間コヒーレンスを始めとして,高輝度,超短パルスといった際立った特長があり,これらを利用した新しいサイエンスが期待されている。一方で,次世代放射光源を用いるとどんな高圧力科学が展開できるか?その議論は始まったばかりである。
本シンポジウムでは次世代放射光源に繋がる高圧力科学の研究成果とともに,高圧に限らない最新の研究成果・測定技術,施設の現状も積極的にとりあげることでコヒーレント放射光による新しい高圧力科学の可能性を議論したい。多くの皆様の講演申込と参加をお願いします。
今日高圧物性研究における計算機シミュレーションはますます重要度を増して来ている。高圧下においては十分な実験的データを得ることが難しいため,経験的データを必要としない第一原理に基づくシミュレーションに頼らざるを得ない場合が多い。最近は,その手法の開発がさらに進み,シミュレーションとの協働によって高圧での実験結果の解析や実験事実の解明に成功した例が数多く現れ,計算機シミュレーションは重要な役割を演じるようになるとともに,それらを誰でも利用できる環境が整いつつある。EOSの予測,新しい液体相および固体相シミュレーションをはじめ,構造解析や新物質相予測における構造探索手法,圧力誘起超伝導予測,圧力誘起金属転移における正確なバンドギャップ予測,X線回折の難しい軽元素より成る物質の構造と物性シミュレーション等とその応用範囲は広がっている。
本シンポジウムではこれら急速に進歩しつつある計算機シミュレーション技術の現状と実験との協働による高圧物性研究の将来展望について活発な議論を行うことを目的とし,参加者の講演と数件の依頼講演を行う。