講演募集分野
今回募集する講演は,次の(1)〜(11)の分野についてです。
生物関連分野における高圧力研究は、生体分子やそれらの分子集合体などのミクロな構造体から細胞や細胞集団ならびに生物個体まで、生物科学の幅広い基礎分野を包含し、その重要性はますます増大している。一方、食品科学・食品加工分野といった応用分野における生物関連高圧研究は、近年、そのパイオニアであった日本でよりも欧米や東アジアでの応用研究や商品化が伸びている。しかし、ここ数年における日本の高圧食品科学研究は、JST地域結集事業、中高圧による食品開発と普及、高圧食品量産システムの拡大などにより大きく進歩してきている。
本シンポジウムは、最近の進歩した高圧食品加工・高圧食品科学研究を一同に会して発表・紹介する機会を設け、活発な討論を行ってもらうことを目的にするのと同時に、今後の高圧食品科学・食品加工のみならず、これらの基礎となる高圧生物科学や高圧関連の様々な分野への波及効果を期待するものである。最先端の高圧食品科学・食品加工研究からの数件の依頼講演と食品科学・分子科学・生命科学・海洋生物学に関連する一般講演を行う。
日本における新しい放射光施設として、新第3世代の蓄積リング型放射光源や次世代のコヒーレント放射光源の建設計画が進められている。放射光コミュニティは、直近の計画として、新第3世代蓄積リング型の3GeV放射光源の建設にオールジャパン体制で取り組むことを決定した。高輝度ナノビームの利用に加え、特に20keV程度までのエネルギー領域が補強されることにより、最先端の光が幅広いエネルギー領域で利用可能となるものと期待される。
本年のシンポジウムでは、新3GeV放射光源として技術的な検討が進められている東北放射光施設構想をトピックとして取り上げる。新光源計画の最新情報に加えて、計画に高圧力科学がどのように関わっていけるか、新光源の活用方法について議論したい。また、昨年に引き続き次世代光源に関するトピックも取り上げる。
近年、固体物性研究への高圧力のもつ役割は顕著であり、高圧力下の超伝導研究はトピックスとして日本のグループが牽引しているものも多い。このシンポジウムはあらためて高圧力下の超伝導研究を俯瞰し、今後の一層の進展を目指すもので、参加者の講演と数件の依頼講演を行う。