第61回高圧討論会はオンラインでの開催となります。
高圧力学会にとってゆかりの地である京都での第61回高圧討論会を楽しみにされていた方も多いと思います。私自身もその一人であり、約2年前に、学会発足の経緯を念頭において、敢えて流体がご専門の立命館大学加藤稔先生に実行委員長をお願いし、ご多忙の身にもかかわらずご快諾をいただき準備を進めていただいておりました。ところが、誰もが予想だにしない未曾有の事態となり、急遽、今回の高圧討論会は学会主導のオンライン開催とし、京都での開催は延期とさせていただきました。まずは、京都開催の準備を進めていただいておりました加藤先生はじめ京都開催実行委員の皆様にお礼とお詫びを申し上げます。
学会主導ということで、急遽実行委員長を拝命いたしました。副会長と幹事の方々に実行委員を、また評議員の方々にプログラム委員をそれぞれお願いし、短い準備期間ではありますが万全の体制で討論会に臨みます。これまで経験のないオンライン開催ではありますが、第58回高圧討論会実行委員長の経験を生かし、副会長、幹事、評議員、事務局とともに一丸となって、例年以上に実りある討論会とするために準備を進めています。当初は様々な制約を心配しておりましたが、オンライン開催ならではの「柔軟性」「多様性」「気軽さ」を十分に生かしますと、例年通りの開催内容に加えて新しい発想による「新展開」も可能となり、未体験ゾーンの高いポテンシャルを感じています。皆様も是非ともご一緒に体験されて日頃にない感覚を味わっていただき、新しい発見と豊かな感性の醸成につなげていただければと思っております。
過去・現在・未来、人類の長い歴史には様々な出来事があり、それらはあるときは意図的に為され、時として偶然に起こり、往々にして忽然と現れ、人類に喜びと悲しみをもたらします。ご存知のように、昨年の令和元年に高圧討論会は第60回の還暦を迎え、高圧力学会は設立30周年でした。今年は高圧力学会にとって、新たなスタートを切る年です。日本の高圧力の科学と技術の新しい時代の始まりは、偶然にも忽然として現れた人類史に刻まれるパンデミックの中にありますが、産官学の多くの研究者・エンジニア・営業担当の方々に加えて若い大学生・大学院生が多数参加され、皆さんのエネルギッシュな議論により第61回高圧討論会が新しい創造の場と新しい世代のための喜びの場となることを期待しております。皆様の “リンゴ” が見つかりますれば、実行委員会一同望外の喜びです。
第61回高圧討論会実行委員長 日本高圧力学会会長 長谷川 正
(名古屋大学 大学院工学研究科)