第65回高圧討論会は,令和6年11月13日(水)〜15日(金)の3日間の日程で,いわて県民情報交流センターアイーナaiinaに於いて開催されます。aiinaは,JR盛岡駅西口から自由通路を通って徒歩3分のところにある複合施設です。北東北(=青森県,秋田県,岩手県)では初めての開催となります。
その名の通り,盛岡市は自然豊かでありながらも,古き良き城下町の風情が漂い,閑雅さと活気とがほどよく調和する街です。古くは「不来方(こずかた)」と呼ばれていましたが,近世初頭に南部氏が城を築く際,反映する緑の杜にちなんで「盛岡」と改められました。その後,杜陵(=「もりおか」の当て字,「とりょう」と読む)とも呼ばれるようになりました。明治期以降,新渡戸稲造,米内光政,金田一京助,原敬をはじめ,多くの人材を輩出しました。街は震災や戦災に遭わなかったことで,明治期から大正期につくられた建造物が現存します。岩手銀行赤レンガ館や旧第九十銀行本店本館(現もりおか啄木・賢治青春館)は,中の橋(慶長16年架設)の袂にある明治後期に建設された洋館で,国の重量文化財に指定されています。岩手銀行赤レンガ館は,東京駅の設計で知られる辰野金吾氏によるものです。平成の名水百選にも選定されている大慈清水,青龍水の2つの清水は,古い街並みが残る鉈屋町にあります。この天然の地下水は,藩政時代から生活用水として愛用されてきました。米ニューヨークタイムズ紙がR5年1月12日に発表した「2023年に行くべき(世界の)52箇所」で,「東京駅から新幹線ですぐ行ける,人混みなく歩いて回れる宝石的スポット」として,盛岡市が選ばれました。討論会の前後や研究発表の合間に,市内散策もお楽しみください。
本討論会での幾つかの試みをご紹介します。ひとつは,実行委員会のあり方です。この討論会は岩手開催ではありますが,オールジャパンで運営しています。地元岩大スタッフだけでは機能不全に陥ることから,様々な岩手関係者(岩手県出身の高圧仲間,元同僚),共同研究者,編集委員会や幹事会で一緒に仕事をさせていただいている皆様にご参加いただいております。最近のオンライン会議システムの躍進が,ボーダレスな運営を可能にしました。また,学会と連携して,子育て世代の会員の皆様への託児支援も行う予定です。大規模な学会ではないので,支援の仕方には工夫が必要ですが,まずはアクションを起こすことにしました。他にも,皆様が討論会を楽しんでいただけるような仕掛けを検討しているところです。
本討論会は,盛岡観光コンベンション協会からの開催支援助成金の交付が決定しております。多くの皆様の御来盛をお願い申し上げます。
第65回高圧討論会 実行委員長
中山 敦子(岩手大学 理工学部)