実行委員長のあいさつ
第57回高圧討論会を、茨城県つくば市の筑波大学で開催することになりました。この地で開かれるのは今回で三度目になります。初回は1984年の第25回、今回と同じ筑波大学をお借りして開催されました。高圧討論会開催地リストには筑波・筑波大学第三学群と書かれていますが、実は筑波という行政区分は存在しませんでした。つくば市誕生(1987年)の前であったために、本来は(新治郡)桜村と表記すべきところを、実行委員会判断で架空の地名を当てたという曰わくがありました。2回目は1995年に工業技術院(現産業技術総合研究所)で開かれた第36回討論会ですから、20年の歳月をはさみ奇しくも前回同様広島に引き続いての開催となります。
つくば市は茨城県の南部に位置し、60年代から学術・研究都市として開発され、筑波大学をはじめ30を超える国等の研究教育機関、約300にも及ぶ民間の研究機関・企業等が集まる日本最大の研究開発拠点です。また20万人程度の地方都市としては例外的に人口や経済活動などの面で発展し続けている都市でもあります。観光の面では昔から筑波山が名所筆頭に挙げられますが、JAXAを初めとする約50の研究機関を見学できるサイエンスツアーも人気を博しています。特に2005年開通のつくばエクスプレスは、首都圏からのアクセスを容易にし、観光客数の増加をもたらしています。
とはいえ昨年の広島、遡って徳島、新潟、大阪等に比べれば観光名所も名産品も見劣りするのは否めません。その代わり、今回の討論会はプログラムに工夫を凝らし討論会の内容を充実させることを考えています。従来からの口頭およびポスター発表、シンポジウム、特別講演に加え、分野横断型の企画をプログラムに新たに組み込む予定です。これは分野を異にする会員間の交流の機会を増やすことで学会全体の活性化を図ることを目的に、学会のサポートを受けて実施するものです。討論会の新しいスタイル確立の一助となるよう実行委員会一同努力いたしますので、是非多くの皆様の積極的なご参加をお願いいたします。
第57回高圧討論会実行委員長 亀卦川 卓美
(高エネルギー加速器研究機構 物質構造科学研究所)
《高圧力の科学と技術 第26巻第1号(2016年3月1日発行)会告》より転載