第62回高圧討論会(於、兵庫県姫路市「アクリエひめじ」)が、2021年10月18日(月)から20日(水)の日程で予定通り開催・完了いたしましたことを現地実行委員会からご報告させていただきます。閉会から10日余りが経過いたしましたが、高圧討論会由来とするコロナ感染症に関する参加者及びスタッフからの報告はありませんでした。本討論会開催への一番の懸念事項であった義務とお約束を無事果たすことができ、皆様からいただいた感染防止策に対するご協力に深く感謝申し上げます。
さて、今回の討論会では、参加者総数321名の内、7割を越す225名の皆様から現地参加のご選択を得て、姫路市の会場にご参集いただきました。講演総数は227件(口頭発表123件、ポスター発表104件)となり、口頭・ポスター発表のいずれも現地での対面講演、ネットワークによる相互通信可能な講演形態を実施いたしました。また、多くの機関・学協会(共催2、特別共催1、協賛24、後援1、助成1、合計29団体)からのご協力をいただきました。
本討論会は2年ぶりとなる対面方式での研究発表となり、この2年近くコロナ禍で忘れかけていた活気と熱意のある“討論”が再現できたかと存じます。何よりも、「若手の会」の盛況にも見られたように、これからの若年研究者とその卵達に生の“学会”を実体験していただくことができたことに、現地実行委員として満足感を覚えました。また、会場でのオンライン接続設備を確保したことによって、ご来場いただけなかった参加者の皆様とも相互の意見交換が可能となり、未来的な討論会のあり方の一旦を垣間見たように感じました。一方、オンラインポスター発表の難しさ、感染防止対策のため懇親会や特別講演の開催を諦めざるを得なかったことなど、完璧には今一歩至らない討論会となったことお詫び申し上げます。
今回の討論会は、非常事態的な処置としてハイブリッド開催となりました。今回の準備には例年よりも多くの手間と費用、そして直前まで詳細を公表できない情報不足を引き起こし、講演予定者の皆様には大変なご迷惑とご心配をおかけしました。混乱を背負った現地実行委員として、最後は高圧力学会員及びプログラム委員他ご関係の皆様のご理解・ご協力があってこそ、高圧討論会は実現されるものだと実感いたしました。この形が持続可能かどうかは今後の学会、実行委員会のご判断にお任せいたしますが、次回第63回高圧討論会に対しても変わらぬご支持をいただけますようよろしくお願い申し上げ、締めの言葉とさせていただきます。
2021年11月1日
第62回高圧討論会 現地実行委員長
高輝度光科学研究センター 大石泰生
昨年初頭以来頭上の暗雲のごとき新型コロナ感染状況については、未だ見通しを立てることは困難な状況であり、人々の間の接触を絶つ以外に対策を見出せない状況にありました。その結果閉塞的に過ごすこととなった一年余、研究機会や教育環境が著しく制限される事態となり、特に若い世代への悪影響は甚大で、皆様においてはそのような状況に心を痛める日々を過ごされたかと存じます。しかしながら今般に至り、感染防止対策の指針がかなり明確となり、何よりもワクチン接種の急拡大よって人類からの能動的克服への道筋が見え始まりつつあります。現地実行委員会といたしましては、この状況に対して時間をいただいて慎重に見守って参りましたが、ここに至り会員の皆様に安心して対面での討論会の場を提供が可能と判断し、当初計画通り2021年10月18-20日の日程で、第62回高圧討論会の兵庫県姫路市での現地開催決定のお知らせ、としてご報告させていただきます。
昨年の高圧討論会では日本高圧力学会幹事会員・評議会委員の皆様が実行委員会を構成し、大変な尽力を以って未経験のオンライン討論会を実現していただきました。そこではネット利用に対する好奇心や気安さ、移動の不要、データが手元にある利便性等、多くのメリットや可能性が感じられました。その一方参加された皆様には、直接的交流機会の多様さと深みの観点から少なからずのご不便、広告展示の効率性にもご不満を感じさせたものと承知しております。今回はオンサイトでありながらもオンラインの利便性も併用し、節度と距離を保った対面交流の場を提供させていただきます。特にポスター発表と広告展示については工夫を凝らしたいと考えております。
さて、第62回高圧討論会が開催される兵庫県姫路市では、世界遺産・国宝姫路城、天台宗別格本山書寫山圓教寺、姫路セントラルパークの3大スポットを中核とする一大観光エリアが展開され、地方都市にも関わらず宿泊設備等も充実しています。討論会会場としては、2021年9月オープンの真新しい姫路市文化コンベンションセンター「アクリエひめじ」を使用させていただきます。最新設備が備えられた大・中・小ホールとスタジオ、会議施設を有する会場で、高圧討論会を行うには十分過ぎる程の環境が提供されるものと期待しております。
現地実行委員会では、討論会会場での徹底的な感染防止策を整えることをお約束いたしますが、ゼロリスクまで近づけるにはそれだけでは困難です。参加される側、学生・大学院生を送り出す側となる皆様におかれましても、感染対策への最大限のご協力をお願いいたします。なお残念ながら、参加者間交流の点で重要な一翼を担う、歴代現地実行委員の力量と感性の見せ所であった「懇親会」の開催は見送らせていただきます。緊急事態等の再宣言や自治体からの指示等があった場合、現地実行委員会は迅速に対処し、オンライン開催等に変更させていただく可能性がございます。本ホームページの掲載情報を随時ご確認いただくと共にご承知おき下さい。
第62回高圧討論会実行委員長 大石 泰生
(高輝度光科学研究センター)
*プログラム委員を兼ねる