今回は,以下の分野について講演を募集します。
高圧力の科学と技術に関する次の分野:
圧力により密度が大きく変化する流体中の化学・生命系の現象は圧力に敏感に依存する。それゆえに、圧力の利用により大気圧下では観測できない未知の現象・性質を探索することができる。また、近年、高圧力を含む極限環境は「生命の起源」とも関連して、注目されている。本シンポジウムでは、高圧力および関連する極限環境(超臨界、宇宙環境、深海、地下深部、あるいは低密度、低温、高温・高圧など)下の分子・生体分子、分子集合体、生物・生命現象の解明、さらにその利用を対象とする。様々な分野の専門家による分野横断の討論を通して新たな発見や着想につながることを期待したい。学会会員のみならず広く一般講演を募集するとともに、招待講演、依頼講演も予定している。
世話人:第63回実行委員会幹事会(世話人代表:加藤 稔(立命館大学生命科学部))
SPring-8では光源性能とサイエンスの一致を目指し、ビームライン再編を実施中である。これまで、大容量高圧実験はBL04B1やBL14B2などで、偏向電磁石光源による白色X線利用を主としてきたが、近年の地球ダイナミクス研究や材料科学における相変態カイネティクスの研究など、異方性や高速時分割測定の重要性が年々高まっている。こうした研究背景を基に、今後の放射光施設に必要な光源性能や測定機器について本シンポで議論する予定である。放射光を利用したこれまでの研究成果や、今後利用を検討している研究テーマについてオープンな議論を予定している。
世話人:肥後 祐司、大内 智博、丹下 慶範(高輝度光科学研究センター、愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センター、住友電工アドバンストマテリアル研究所)
Frontiers of high-pressure science using high-resolution X-ray spectroscopy
High-resolution X-ray spectroscopies, including inelastic X-ray scattering, nuclear resonant scattering, etc., are of interest for many high-pressure research fields including geoscience, solid state physics, and material science. These techniques have been extensively optimized for high-pressure work at synchrotron facilities and can provide unique and pertinent information about, e.g., elasticity, and chemical states in extreme conditions. Here we discuss recent results and progress in high-pressure science made possible by high-resolution X-ray spectroscopies. The session language will be English.
非弾性X線散乱, 核共鳴散乱などの高分解能X線分光法は様々な高圧科学の分野で利活用されている。これらの分光測定技術は高圧実験を行うために多くの改良が加えられ、極限環境下での物質の弾性的、化学的性質についてのユニークで重要な情報を得られるようになった。本シンポジウムでは, 高分解能X線分光法によって得られた高圧科学に関する最近の研究と測定技術の進歩について討論する。なお、このシンポジウムでの発表は英語で行われます。
世話人:Yoichi NAKAJIMA, Hiroshi FUKUI, Alfred Q.R. BARON (Kumamoto University, JASRI, RIKEN)