1959年11月11日の第1回高圧討論会(京都・京都大学)から今回で63回を迎える高圧討論会は、日本の学会の中でも有数の歴史を誇っています。また、1989年10月16~18日に開催された第30回高圧討論会(仙台市戦災復興記念館)での総会において、日本高圧力学会も設立されました。学会刊行のニュースレター創刊号[1]の記事からは、本討論会発足当時の状況や学会設立時の大きな期待がひしひしと伝わってきます。城野和三郎先生(第1回高圧討論会準備委員長)よる「日本高圧力学会発足を祝して」の記事では、日本での高圧研究の起点と思われる堀場信吉先生の欧州留学(1918~1924)から第1~3回高圧討論会の開催に至るまでの高圧研究の黎明期も紹介されています。今回の実行委員会の発足メンバー全員の流体系研究にも、その歴史の源流が引き継がれています。第63回高圧討論会では、日本の高圧力研究の歴史にも思いを寄せる機会となれば嬉しい限りです。
第63回高圧討論会ですが、当初より京都開催を目指して準備しておりましたが、会場条件等のため、立命館大学・大阪いばらきキャンパス(OIC)にて開催することになりました。京都開催は第61回討論会にて実現間近のところで、新型コロナ感染拡大の波に飲み込まれてしまいました。2年後を期しての今回の討論会でしたが、京都開催を楽しみにされていた方々の期待に沿えず大変申し訳なく思っております。
今回の討論会会場がある立命館大学OICは、2015年開設の新しいキャンパスで、現在4学部・5研究科(来年6学部・7研究科)の中規模キャンパス[2]です。大阪府茨木市に立地する大変アクセスのよい都市型キャンパスで、地域連携の拠点も担っています。その関連施設である立命館いばらきフューチャープラザ[3]にて対面での実施を予定しています。長らく続いたコロナ禍で、対面を通して人と共感することの大切さがあらためて見直されています。様々な分野の研究者が「高圧力」で交流・連携するためのコミュニケーションの場としての討論会の役割は大変重要だと確信しております。皆様方の実りある交流のために実行委員会としてもできる限りの準備・サポートをさせていただきます。多くの皆様と再会し、討論と歓談ができることを楽しみにしております。何卒ご参加いただけますよう心よりお願い申し上げます。
第63回高圧討論会 実行委員長
加藤 稔(立命館大学 生命科学部)